全国秘書会議2021(第28回)開催報告
時代を超えて 今、変革の時 ―ニューノーマル時代を生き抜く新しい秘書の在り方―
9月18日(土)に開催いたしました「全国秘書会議2021」は、はじめてのオンラインでの開催となり総勢300名の皆様にご参加いただき、盛会のうちに終了いたしました。
基調講演では、日本アイ・ビー・エム株式会社名誉相談役の橋本孝之氏より、「ポストコロナ時代のキーワードと変革する経営のリーダーを支える秘書の役割り」をテーマに世界経済や日本の現状、アフターコロナに経営者が直面する課題など、長年トップ経営者として第一線で活躍されている橋本様ならではの充実した講演内容となりました。
また、ニューノーマル時代に求められるリーダーシップと秘書への期待として、過去の延長線上にない未来社会を描くための知性と感性の重要性や、ITを駆使した効率化、自己研鑽、リスキリングなどのキーワードを上げられました。
秘書は「Be professional」を信念に、経営者のパートナーとして業務を担っていけるようになること、信頼をもって忌憚のないコミュニケーションを取っていくことが大切であるとのお話は、これから目指すべき秘書像を示すようなお話となりました。
特別講演には、ジャーナリストの池上彰氏をお迎えいたし「ニュースから世界を見る」と題してご講演をいただきました。
幾度となく繰り返されてきた感染症と人類の戦いは、天然痘、ペスト、スペイン風邪、そして新型コロナウイルスと続いています。シルクロードの時代から人と物の行き来がさかんになり、感染症も広がり、沢山の方々がお亡くなりになり、現代と変わらない流言飛語や人々の対立があり、戦争を引き起こすまでの歴史があった。そして社会の構造が変わり、人類史に残る新しい発見があり、文化が生まれることを繰り返してきたのが人類の歴史ということ。
「今、大きな分岐点に立っていますが、これから先の新たな歴史は私達が創っているのです。将来、子孫達がこの時代を振りかえった時に、いい時代にしてくれてありがとう。と感謝されるように努力しましょう。」というお言葉が印象的でした。池上先生の穏やかな口調の中にも、正しく情報を伝え理解してほしい。という強さと誠実さが伝わってくるご講演でした。
記念講演には、在日オーストラリア大使館商務部 南オーストラリア州政府在日代表 ニュージーランドオーストラリア商工会議所会頭 サリー・タウンゼンド氏に「女性がグローバルに活躍できるためのヒント」と題してご講演いただきました。
16歳の時、交換留学生として来日、「気持ちが分かりあえる」ところが自分に合うと感じ、日本とオーストラリアを繋ぐ架け橋になる仕事を探した頃について、故郷アデレードの写真を交えながらお話いただきました。給料の額ではなく、自分がパッションを持っている分野を選択すれば、たとえ失敗しても勉強になるはずとお話されました。「チャンスがあったら、すぐに手を挙げる」、「オファーの中で冷静に“好きなもの”を選択することは特に重要」、「日本人女性は海外経験があっても経験を生かせない人が多いことが残念。NOと言われても挑戦してほしい」と、人生哲学をお話いただきました。終始笑顔で明るいサリーさん。笑顔は社会人として重要なパワーエンジンの1つだと感じさせられました。
※ファシリテーター:イオン株式会社ダイバーシティ推進室長、日本秘書協会元理事 藤田紀久子氏
第二部では、元ザイリンクス株式会社 代表取締役社長のサム・ローガン氏に「ニューノーマル時代を生き抜く新しい秘書の在り方」と題し、2回のグループディスカッションを交えながらご講演いただきました。
AIと人間のそれぞれのメリットを生かし、AIを一つのツールとして上手に活用していくことが重要であること、そして、予想する・フレキシブルに対応する・社内外の良好な人間関係を構築する・良いコミュニケーターとなる・ボスの目となり耳となる、など人間だからこそできることをプロアクティブに行うことの大切さを教えていただきました。
グループディスカッションでは、「働き方の変化に伴う秘書としての悩みと、それをどのように解決したか」「身に付けたい能力と、それに向けて明日から取り組むこと」をテーマに、他社の方と意見交換できる貴重な機会となりました。
最後に今回の盛会はご参加いただきました皆様をはじめ、協賛企業の皆様、実行委員を含めた関係各位のご支援とご協力の賜物であり、この場をお借りして改めて深く御礼申し上げます。
第29回全国秘書会議は来年2022年の同時期の開催を予定しております。協会の新たな飛躍の年になりますよう、ますます精進してまいりますので、引き続きのご支援をいただきますようお願い申し上げます。