今回は、醸造家の方から直接ワインのご講話をいただける貴重な会となり、募集定員を超える沢山のお申込をいただきました。当日は、ワインの基礎から現在のトレンド、また日本ワインの歴史を踏まえた今後の動向までと多岐にわたるお話をいただきました。まずワインの味を決める3つの要素は、品種と産地の気候と土壌であり、ワインはブドウ100%で作るため、ブドウの品種が風味を大きく左右するということや、気候によって味が変わり、土壌の性質により風味が異なり、ワインの個性は栽培方法や収穫のタイミングが重要であること。また醸造工程も詳しくお教えいただきました。また世界のワインの流れでは、1970年までは商品名産地が商品名となったが、70年代以降は品種名が前面に出るようになり、90年代から新世界のワインが流行り、2000年代から造り手が注目を浴び、2010年代は有機ワイン、ビオロジックワイン。2020年代以降には環境を配慮したエシカル消費やカーボン・フットプリントが関心を集めているということ。そして今、日本ワインが注目を浴びていますが、メルシャン社では、「自然、地域、未来との共生」を根底に作られていて、今回は同社商品の試飲をさせていただきました。・ロゼスパークリングはベリー香が華やかな「日本のあわ」 ・美しく輝き、味もバランスが良く数々の賞を受賞している「北信左岸シャルドネ リヴァリス2020」 ・果実やスパイスなどの風味が複雑に美味しく調和された豊かでエレガントな「塩尻メルロー2019」の3品を試飲させていただきました。その際も安蔵氏からテイスティングの方法やグラスの種類、各ワインの産地の特徴や品種、収穫、発酵方法から料理との相性まで丁寧にお教えいただきました。安蔵様の素敵なお人柄があふれ、皆様の笑顔が絶えない和やかな会となりました。
詳細
日時 | 2023年12月15日(金)19:00~20:30 |
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会場 | KIRIN株式会社本社内 メルシャン株式会社本社ゲストラウンジ会議室 |
講師プロフィール
安蔵 光弘 氏 (メルシャン株式会社 エグゼクティブ・ワインメーカー)
東京大学卒業 東京大学大学院修士課程修了後 95年入社後,シャトー・メルシャンに所属。本社商品企画部、ワイン事業本部を経て、98年醸造技術を担当。01年から4年間ボルドーのシャトー・レイソンに駐在、同時にボルドー大学に在籍しDUAD(ワインテイスティング適正資格)を取得。帰国後シャトー・メルシャン品質管理課長、本社品質管理部長を歴任。15年シャトー・メルシャン・チーフ・ワインメーカー、20年シャトー・メルシャン・ゼネラル・マネージャーに就任。23年メルシャン、エグゼクティブ・ワインメーカー。20年~23年6月 山梨県ワイン酒造組合会長
2022年11月には、安蔵光弘氏の半生を描いた映画「シグナチャー~日本を世界の銘醸地に~」公開。