4月の月例会では、出版業務全般を扱う出版社、パブリック・ブレイン代表の山本和之氏より、『読み手に配慮する美しい文章』の定義と、そのような文章に仕立てるための校正・校閲のポイントをご教示いただきました。「『読み手に配慮する』とは、主観的立場の書き手が、読み手側に立ち客観的になること」であり、「『美しい文章』とは、どこで、誰に読まれるのか?に配慮され、相手に文意が正しく伝わる文章である」とご説明くださいました。校正・校閲のポイントとして、メール送信前には「名前を含めた固有名詞」「自社以外の住所、電話番号、メールアドレス」「アポイントメントの日時、場所」を今一度確認することの大切さを挙げられ、ビジネス文書作成の基本マナーを再認識いたしました。また、誤脱字の例として「漢字の誤表記」や「重複」、「助詞の抜け」、「ら抜き言葉」・「い抜き言葉」などをご解説くださいました。更に、差別語・不快表現についても言及されました。列挙された差別語・不快表現の中には日常的に使用されているものもあり、丁寧に調べ正しく使用することが、読み手に配慮することにつながるのだと認識いたしました。最後に先生がおっしゃった、「それぞれの人の文体には、その人が歩んできた道、人生が表れる。感受性を磨けば感度は高くなり、読み手への配慮につながる」というお言葉がとても印象的でした。感受性を磨き、「読み手に配慮する美しい文章」を書けるよう、日々努力したいと思います。(まとめ:月例会委員)
詳細
日時 | 2023年 4月14日(金) 19:00~20:30 |
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会場 | オンライン講座 (Zoomによる配信) |
講師プロフィール
山本 和之氏 (出版社パブリック・ブレイン 代表)
学習院大学を卒業後、編集プロダクション、出版社を経て、2007年に文芸や芸術書などの自費出版や商業出版を含めた総合出版を行うパブリック・ブレインを創立。自社での出版物として、2009年の太宰治生誕100年を機に刊行された「太宰治シリーズ」がある。また、2011年読書系・アート系フリーペーパー「DayArt」を創刊し全国美術館や文学館などに設置。
主な刊行物『カチカチ山』『太宰は女である』『Urashima san』『風紋五十年』
著書『文壇バー風紋青春記 何歳からでも読める太宰治』(未知谷)